2024/10/31
【その他】犬の飲み水に関して
こんにちは。DOGLIFECorinth~13:13~のトレーナーの中島です。
当店は各ご家庭に赴いてそのご家庭に合ったしつけ方をアドバイスしています。その子の性格傾向と家の環境に合わせてかかわり方を提案するから飼い主様も納得しやすく、自分たちのペースで進んでいけるサービスを提供しています。しつけは1歳までと言われますがお客様には11歳の子もおり、犬種や場所問わず全国出張で受け付けておりますのでご興味のある方はご連絡ください。
今日のテーマは
「犬の飲み水に関して」
です。
以下の方に読んでいただければと思います。
・水道水でいいの?
・ミネラルウォーターをあげたい
・一日のどれくらい飲めばいいのか
・よく水を飲むのだけれども…
〇水には硬度がある
軟水や硬水とあるが水には硬度があります。水の中にどれくらいのカルシウムとマグネシウムが含まれているかによって軟水、中硬水、硬水と決まるそうです。世界と日本の基準は違うそうですが、日本の水道水は軟水(高度60程度)です。国内メーカーのミネラルウォーターは超軟水(高度30程度)でした。東京の水道水は硬度60~70で、田舎の水は30~50とのことです。東京は関東ローム層がある関係で硬度が高くなるといわれています。話は脱線しますが、東京の水はまずいと言われるのはこの高度も関係しているのではないかと思っています。
〇温泉水やミネラルウォーターをあげてもいいのか
私もミネラルウォーターはミネラルが高いと思っていたためあげないほうがいいのではないかと思っていましたが、水道水のほうが高ミネラルと知り、あげてもよいことを知りました。地方に住んでいる子は水道水が最適ということです。また、健康な腎臓であれば硬水でも問題ないという人もいます。(ずっと飲んでいれば影響があるような気もしてしまいますが)ただ、すでに腎臓病を患っている子には硬水はあげないほうがよさそうです。最初から最後まで水道水で十分かと思っておりますが、ミネラルウォーターを愛犬にあげたい方は素直にあげてよいかと思っております。そっちのほうが気持ちがいいですね。
〇一日に飲む量を知っておく
人間は1日2L程度の水を飲むことが理想といわれていますが、犬は体重の5%分の水を飲むようにと言われています。5㎏の子であれば250ml、10㎏の子であれば500mlです。もし毎日のご飯が手作りやウェットフードであれば減ると思います。夏であれば10~20%程度多くなっても問題ありません。大切なのは元気なうちに自分の子がどれくらいの水を飲むのかを知っておくことです。体に変化があってからではそれが多飲なのか平常なのかがわからないためです。毎日データを取らなくてもいいですが、たまにはペットボトルで測ってみてもよいかと思います。ペットボトル500mlに水を入れ、1日にどれくらい減るのかを何日か試行し平均値をとってみるとよいかと思います。
〇多飲・多尿する場合の注意点
自分の体重以上に水を飲みすぎる場合注意が必要です。先ほど1日に体重の5%程度と言いましたが、多飲の基準は1日に10%と言われています。明らかに飲みすぎの場合、腎臓病や糖尿病等が発生していることがあります。
私のお客様で、常に水を飲みたがり一度口を付けた水は変えてくれないと飲まないというシニア犬がいました。その子は後日病院へ行き、腎臓病であると診断を受けたそうです。どうしてフレッシュな水でないと飲まないのかは分かりませんが、いつもと違う違和感というのは大切にしなければなりません。また、毎日を観察してあげることがその違和感に気づく大切な皆様の役割です。忙しくて相手してあげられなかったり、問題行動ばかり起こすからかわいくないこともあるかもしれませんが、日ごろのお世話で困ったときは一度ご連絡ください。
〇適切な水のあげ方
小型犬においてはあまり関係ありませんが、飲み水やフードは少し高い位置であげるとよいです。本人が立った状態ですこし首を下げるくらいで食べられる環境だとよいでしょう。大型犬で水をベチャベチャに垂らす子は器が低い可能性があります。本来水を飲んで口元にたまった水は、唇の流れに沿って水が流れるはずですが、器が低いと口先にすべての水が溜まって床に垂れてしまいます。また、ごはんや水を床から喉へ流す際、一時的に重力に逆らってものを移動させるため、早食いや誤飲の一要因になりかねないと私は思っています。
いかがでしたでしょうか。
日ごろの様子を観察することや、器の高さを気にしてあげることは獣医やトレーナーではできません。いつも一緒にいる飼い主さんにしかできないことです。私はしつけを通して信頼関係や、犬との共生をサポートするためのサービスを提供しております。普通のドッグトレーニングは理想を押し付けるようなやり方ですが、当店の教えは飼い主さんの事情をくみ取り、その家にしかないしつけを提供しています。愛犬と心でつながりたい。来てもらってよかったと言ってもらえるサービスを提供できたらとおもいます。
是非ご興味のある方はご連絡いただければ幸いです。
私の主に感謝しつつ。
中島
2024/10/09
【その他】涙やけの原因と対策の再評価
こんにちは。DOGLIFECorinth~13:13~のトレーナーの中島です。
当店は各ご家庭に赴いてそのご家庭に合ったしつけ方をアドバイスしています。その子の性格傾向と家の環境に合わせてかかわり方を提案するから飼い主様も納得しやすく、自分たちのペースで進んでいけるサービスを提供しています。しつけは1歳までと言われますがお客様には11歳の子もおり、犬種や場所問わず全国出張で受け付けておりますのでご興味のある方はご連絡ください。
今日のテーマは
「涙やけの原因と対策の再評価」
です。
以下の方に読んでいただければと思います。
・蒸しタオルに意味はあるの?
・どうして赤くなるの?
・ご飯を変えれば治るの?
〇涙やけは科学的証明がされていない
涙やけの原因は多岐にわたります。目の乾燥・老廃物・常在菌の繁殖・フードの品質・運動不足・ストレス・・・。その結果が涙やけです。だからこれが原因です!というものはありません。いろいろな飼い主さんの結果を見てみると、ホウ酸で治った人もいれば、目のパックで治った人もいれば、フードを変えて治った人もいますから、どれが正解かはわかりません。ただ、一つ言えるのはどの方法にも効果が確実にあるのではなくて、自分の子がもつ原因と飼い主の対応が偶然マッチした時だけ効果が出てくるということです。
〇涙は透明なのになぜ赤く臭くなるのか
まず目元や目の周りが赤くなるのは「ポルフィリン鉄錯体」という物質が関わっているそうです。ポルフィリン鉄錯体は日常的な物質でいうと「ヘム鉄」であり、赤い成分とのことです。それでも透明ということは本当に微量なのかもしれません。
私は科学者ではないので化学的なことは避けますが、ポルフィリンというのは金属と結びつく傾向があるそうで、それ自体も赤いそうですが、鉄錯体になるとやはり赤いそうです。それが光(紫外線)と反応することによって色が定着してしまう説があるそうです。
また、濡れることで皮膚の常在菌の繁殖によって独特な異臭が出てくるのではないかと思っています。さらに、もしも体が酸化していれば、目の被膜を作る油(リボソーム腺)も酸化しているため、さらに異臭を放つとも考えられます。
市販されている涙やけスプレーは善玉菌をぶつけて臭いを消そうとするものか、アロマ系で消そうとするものであって、根本解決に至るスプレーはないと思っています。
〇涙やけの改善方法と科学的根拠①
【ホウ酸水パック】
ホウ酸水とは結膜炎に使われる点眼薬ではありますが、菌を殺す役割があります。健常な目に入れることはよくないためティッシュに濡らして拭くか、5分10分パックをするとよいでしょう。菌を殺すなら次亜塩素酸水でもいいのではないかと思っていますが、特に研究はしたことがありません。ホウ酸水の作り方は他のネット情報にありますので是非調べてください。初めは嫌がるワンちゃんも、何度もやっていればお利口にできるようになって、今ではきれいになったとの情報も見ました。(本当にホウ酸水だけ?で結果が出たのかはわかりません)
〇涙やけの改善方法と科学的根拠②
【目のホットパック&瞼マッサージ】
「目のホットパックってただリラックスするだけではないのか?」と思いがちです。わたしもそう思っていました。しかし科学的に見てみれば今後進めていきたいひとつだと思わされています。
涙が増えてしまう原因として「目の乾燥」がありました。
犬もドライアイになるの?いえいえ、ドライアイとは目の乾燥からくる視力低下を指す言葉であり、目の乾燥=ドライアイではありませんのでご注意ください。
私たちも手にクリーム(油)を塗るから保湿されるように、目の表面には油によって保湿されています。その油の出どころはリボソーム腺というまぶたの裏からでていますが、リボソーム腺からの油が切れると、目が常に乾燥している状態に。目が保護できなくなると、涙が過剰に出て、守ろうとします。それが流涙症です。
涙が多い子は目を温める方向性にしてあげてください。リボソーム腺は冷えると出てこないのですがあたためることで溶けて出てくるそうです。ホットパックは40度程度の温かい蒸しタオルで10~15分くらいあたためてほしいとのこと。(人間の場合)
犬の場合は犬が嫌がらない温度が良いかと思います。また、リボソーム腺は瞼の裏にありますので、瞼をクリクリとマッサージすることで刺激されてよいかと思います。実際に私もやりましたがとても気持ちが良いですので、コミュニケーションの一つにしてみてはいかがでしょうか。
先日「うちの子は寝ているときには涙が出ないのだが、運動した後は涙が出ます」と質問をいただきました。涙は基本的には副交感神経が関わっているときに出るものです。運動しながら泣く人はいないでしょう。しかし「運動すると出てくる涙?」と分からず調べました。
まだそのお客様の子には伝えていないので、縦断研究はできていない上での想像でありますが、走り出すと目が乾燥する⇒目を保護する涙が出てくるのではないかと推測。というのもその子は目が真ん丸でくりくりした大きな目をしており、乾燥しやすいのかもしれません。研究が進んだらまた書きたいと思います。
動物病院・眼科の方・いろいろな情報を知っている飼い主さんなら知っているのかもしれませんが、私は初めて科学的にリボソーム腺を知った次第です。
〇涙やけの改善方法と科学的根拠③(根本的考察)
次に根本的な科学的原因を調べてみましたが難しすぎて頭を抱えましたので、なるべく簡潔に説明していきたいと思います。私は化学を専攻していたものの科学者ではないので、説明できない化学的なことは割愛・簡略化させていただきます。
元来、涙やけには以下のようなことが言われています。
・涙を流す管が詰まって涙が溢れてしまっている
・涙の量が多すぎる
・涙を流す管がそもそも開いていない
・生食フードよりも、ドライフードを食べる子に表れやすい
今回、私が新たに見つめなおした点は以下の通りです
・消化分解と涙やけ
・タンパク質と涙やけ
・体の酸化と涙やけ
・腎臓の状態と涙やけ
・目のリボソーム線が詰まっている、冷えている(前章)
という点です。
☆【消化分解と涙やけ】
フードを手作りに変えると治る子がいるという事実に着目いたしました。あくまで涙やけ対策としての提案です。食べ物は手作りのほうがいいとは思うものの、変えなくてはいけない!とは思っていません。本腰を入れることができる人がやればいいと思っていますのであしからず。
自然界にはないものを食べていれば異変〔涙やけ・涙管のつまり〕が出て、自然食に変えれば異変が治りやすいことは想像にたやすいかと思います。事実、ドッグフードには必要ないものが合成されているため長く見ればあまりいいものではありません。品質の低いフードは特に。(食品の品質、食いつきをよくする油、保存のための油、化学的なビタミンミネラル等)
マクドナ〇ドよりも生野菜のほうが消化に優しいのは誰でも知っています。栄養学的に言えば自然食には食物(分解)酵素が含まれているため消化を助けてくれています。しかし、加工すればするほど食物が持つ酵素が壊れ、一生懸命体内酵素使って分解する=胃が疲れる食べ物になります。(人によりますが)
そして実はドッグフードにも酵素が含まれていないためやはり消化器官に負担をかける食べ物です。おなかを見せて触って喜ぶワンちゃんで、食糞をしたり、草を食べたり、野菜類を好む子は胃もたれしている場合があります。ですから消化の良いフードに変えてあげたり、野菜をトッピングしてあげたり、成犬でもふやかしにしてあげるといいでしょう。(キャベ〇ン・ヘパリ〇ゼなど消化酵素を補って胃もたれを直すように)
☆【タンパク質と涙やけ】
上記のように食べ物の分解が悪ければ最終的な分泌物にも影響が出るでしょう。巷ではタンパク質分解が関わっているのではないか説もあります。現に鳥から魚に見直したら涙やけが減ったという報告を聞いたことがあります。動物病院の先生にも、タンパク質を疑っている人もいます。もしフードを変えてみようと思うなら、実験としても今のとは違うタンパク質のフードに変えてみるといいかもしれません。フードを変えることでその子が消化しやすいものになり、結果的に涙やけが減るとも考えられます。
人間で考えてみても、牛よりも鳥とか、鳥よりも魚とか、魚よりも豆など、消化しやすいタンパク質があると思います。東洋医学にもアーユルヴェーダというタイプ論的な考えがあるくらいですし、アレルギーもタンパク質が関わっています。であるなら犬にも分解しやすいたんぱく質があるのではないかと思うほどです。逆に合わない食べ物を食べていればストレスになって異変として出てもおかしくないですよね。
☆【体の酸化と涙やけ】
私のお客様で定期的に足裏の被毛が赤くなったり引いたりする柴犬がいました。足裏が赤くなるのと、涙やけとして赤くなるのは同じではないかと私は思っています(同じ赤なので)
その飼い主様に定期的にヒアリングしていると一つのことが分かりました。
新しいフードを食べているときはならないが、古くなったフードを食べると赤みが出やすいとのことでした。そのご家庭は10㎏まとめて買っていたので、時間が経つにつれフードの油が酸化したことが原因だとわかりました。それからは小袋に入れて分けているそうです。
そこから考えられることとして、体の酸化が考えられます。なので、フードは開けたら閉めたり、真空容器に入れたりするとよいでしょう。また、おやつのあげ過ぎも注意しなければなりません。粉もの系であればいいのですが、ジャーキーなど油ものは一度開けたらすぐに食べきるようにしないと、酸化した油は体を腐敗させる要因になるため注意です。酸化物を食べ続ければ、足から出てくる油やリボソーム腺の油が酸化して出てくるのは当然です。酸化した油は目じりに溜まり、ドロッとした目ヤニや臭い涙やけになってもおかしくないと考えられます。
☆【腎臓の状態と涙やけ】
腎臓の値が下がったら涙やけが減ったという報告があります。腎臓は体のフィルター的な存在で、疲れてしまうとフィルターが作用しなくなって体内に毒や老廃物が巡ります。涙やけが赤い原因は「ポルフィリン鉄錯体」という物質だそうなのですが、120日体内で再利用を繰り返して老廃物化したものは尿やうんちで出るそうです。また、その一部も唾液や涙にも排出されるのだそうです。
※以下はあくまで私の推察です。
ビールやラーメンばかり食べていれば、体が酸化して皮脂が臭くなり、口が臭くなるでしょう。加齢臭も体が酸化することが原因で、体が放つ黄色信号です。そのような観点からも、唾液に老廃物が出る状況というのは同じく黄色信号だと理解できます。
というのも老廃物とは排出されるべきものであって、唾液から再度体内に流れる様な状態は正常とは言えません。また同じような理由で、涙という脳に近いところに老廃物をもってくること自体も通常とは思えません。正常なフィルターでしっかり濾しておしっこうんちで出せていれば問題ありませんが、涙や唾液からも出てくる状態ということは「出さざるを得ない状態」と考えたほうがいいのではないかと。
それがまだフィルターが育っていないパピーちゃんや腎臓が弱っている老犬であれば、排出できずに涙や唾液からも分泌してしまう。老犬が腎機能を改善する食事をとった結果、体をめぐるものがきれいになり涙やけが改善したともいえる。涙やけをする子はどちらかというと腎機能が強くないのではないかとも考えたほうが色々なことがうまくつながる気がするほどです。成犬はどうかというと、成長してフィルターが大きくなったとしても、酸化したフードを続けて食べていればフィルターが詰ったまま涙やけはなくならないだろうと推察。時代は進むし原因対策は考えたらきりがないが、一つ一つやってみることが大切でしょう。
歯切れの悪い終わり方ですが、複数ある研究と結果から、各原因と対処を紹介、そして自分の考察をさせていただきました。フードの見直し?目のパック?マッサージ?ホウ酸?自分の子に合うものが見つかるかどうかは飼い主さんの熱意と根気と継続性にかかっているかと思います。
いかがでしたでしょうか。
今回は研究色が強いブログでありましたが、私はしつけを通して信頼関係や、犬との共生をサポートするためのサービスを提供しております。普通のドッグトレーニングは理想を押し付けるようなやり方ですが、当店の教えは飼い主さんの事情をくみ取り、その家にしかないしつけを提供しています。愛犬と心でつながりたい。来てもらってよかったと言ってもらえるサービスを提供できたらとおもいます。
是非ご興味のある方はご連絡いただければ幸いです。
私の主に感謝しつつ。
中島
2024/09/02
【栄養】犬の被毛からわかること
こんにちは。DOGLIFECorinth~13:13~のトレーナーの中島です。
当店は各ご家庭に赴いてそのご家庭に合ったしつけ方をアドバイスしています。その子の性格と家の環境に合わせたかかわり方を提案。飼い主様も愛犬も納得しやすい、自分たちのペースで進んでいけるサービスを提供しています。しつけは1歳までと言われますが最近14歳の子も改善傾向に記録更新中です。犬種や場所問わず全国出張で受け付けておりますのでご興味のある方はご連絡ください。
今日のテーマは
「犬の被毛からわかることについて」
です。
以下の方に読んでいただければと思います。
・犬の毛がパサついてきました
・毛の色がうすくなってきたのですが
・サマーカットが危ないって本当?
・毛から何がわかるの?
〇被毛とは
被毛とは、犬が体を覆っている毛のことです。中には毛のない犬もいますが、ほとんどのワンちゃんは毛がフサフサかと思います。毛は基本的にタンパク質と脂質とメラニン色素と水でできており、3層からなっております。いちばん外側の層が一番固く、内側は水分が流れる場所です。いわば植物の茎みたいなものなんだ~と想像してもらえればよいかと思います(外側が固くて水分が流れるという意味で)
毛は何の役割があるでしょうか。それは「体を守る」ことが主な役割です。物理的なダメージから守る意味もあれば、空気の層を作ることで断熱材の役割もあります。また、害虫に刺されることからも守っていて、無くてはならないものであります。その毛の状態がよいということはバリア機能が働いているということであり、逆に毛に元気がないということは守りが手薄になっている状態と言えます。犬を飼ううえで健康は大切ですし、毛の状態一つからでも犬の状態を知ることができるツールですので、状態を把握しておくことは健康管理に大いに役立つのですから、飼い主が知っておかなければならない秘密が毛の中に隠されているといっても過言ではありません。
〇理想的な毛ってどんな様子?
ハリがあり、つやがあり、しっとり感がある毛こそ理想です。犬で考えると難しいですが、ハリ・ツヤ・しっとり感は人間の毛にも共通した考え方ですので、犬への評価がわからなかったらご自身の毛で考えてみればよいかと思います。もしも毛がヘナっていたり、電気に照らされても跳ね返りがなかったり、パサついている状態はよろしくない状態と言えます。栄養が足りないか、行き届いていないか、ストレスが関わっていないかなど、たとえ問題がない子でもどこからその要因がきているのか見てみる必要があると思います。
たかが毛でしょ?そんなに問題なの?
毛は体の中で末端に存在していますが、末端の状態が悪いということは体の内部の状態も悪いということです。体というのはまず生命活動に必要な部位に一番にエネルギーを送りますが、材料がなくなってくると命にかかわらないところから削減されていく特徴があります。(私たちも生活のお金が無くなったら、切り詰められるところから節約すると思います)すなわち、たかが毛ではありますがその子の健康状態を手で感じ取れる大切な情報源ということです。それをたかが毛と思うか、もっと毛を見なければと思うかはお任せいたします。
もしもパサついていたり、反射しないのであれば見直すものが存在するかもしれないということです。私が訪問する先は問題行動でお困りのご家庭がほとんどですが、問題を抱えている子はそっちにエネルギーを持っていかれてしまうため毛の状態が悪い子が多いのです。毛の構造自体はタンパク質が主成分ですが、そのたんぱく質構造を作るために必要なビタミンなどの補酵素が不足したり、皮膚の状態が悪くなったりすることによっても毛の状態が低下するのです。それは何が原因なのかはカウンセリングが必要でしょう。
〇子供の時より色が薄くなってきた
よくレッドのトイプードルなどにあることなのですが、飼った当初は濃い茶色だったのに、今では薄い茶色になってしまったという声を聞きます。何の病気でもなくて、ただ単に体が大きくなり毛穴と毛穴の間が広がったことによる密度が減ったから薄く見えるということです。
直毛の場合はハリツヤを見極めることができますが、くるくるした毛の子はどう判断すればよいでしょうか。ひとつは毛玉ができやすいかどうかです。毛玉ができやすい子は毛のキューティクルがはがれている可能性があります。キューティクルがはがれると毛と毛がくっつくのでダマになりやすい状態と言えます。また毛玉になりやすい子の多くは毛が細い傾向がある気がします。毛が細いということは水分量が少ない可能性があります。すなわち毛に力があれば絡まりにくいが、毛に力がないとお互い寄り合ってダマになるということかと思われます。私は毛の専門家ではないので本当にそうかはわかりませんが、私が見てきた経験の中でそういうような傾向がある程度に思っていただけたらと思います。
〇どういう状態がいいのか
先ほども言いましたが、ハリ・ツヤ・しっとり感があるとよい状態です。直毛の子であれば電気をあてると反射しますし、曲毛の子はダマができやすいかどうかが判断材料になるかと思っています。
この夏の暑さは別としてとして以上の原則からおすすめできないのが「サマーカット」になります。サマーカットをする多くの人に聞くと「暑そうだから」「みんなやっているから」「経済的に楽だから」という声をよく伺います。もちろん絶対にしてはいけませんなど権利をはく奪するようなことは言いませんが、この声に共通して言える事実として客観性のない人間の考えだけであるという点は留意しておくべきかと思います。人間目線だけではなくて、犬目線も考慮したちょうどいいところが共生なのではないかと思っております。
犬にとってのサマーカットは、デメリットがいっぱいあります。
・皮膚への紫外線ダメージが増える
・蚊に刺されやすくなる
・断熱材が奪われ熱中症リスクが上がる
犬が毛でおおわれている一つとして、人間よりもはるかに皮膚が弱いという理由があります。また同時に自然界よりも人間界のほうが紫外線量は多いため、体を守るものをそぎ落とすことはあまり意味がありません。自然界は木々があるため太陽が昇っても適度な紫外線量しかありませんが、人間界はビルばかりなので直に太陽に照射され続けています。また蛍光灯も微量な紫外線が出ていますから、夕方になっても明るい人間社会は紫外線社会なのです。
毛が短くなるということは、皆さんが薬を飲んでまで恐れている蚊を媒介としたフィラリアへのリスクが爆増するということでもあります。無防備にさせたまま散歩し、フィラリアの薬(駆除薬)を飲ませるというのは、風邪薬を飲ませながら裸で子供を外で遊ばせるようなものです。なんとも奇妙な光景だなと思います。
夏になると熱くなりますから短くしたほうがいいんじゃないかという感覚になるのはわかります。しかしそれが人間都合であることがよくわかります。それは、犬は体から汗が出ないため気化熱を利用できず、短くしても何も涼しくない事実を人間は知らないのです。人間には発汗さようがあるために、髪の毛を短くすれば涼しくなることを知っていますが、犬にはそれがないのです。しいていえば水にぬれ、それが蒸発する際に奪われる熱で涼しくなることはありますが、自らの体にはその機構はないのですから、短くすればいいという単純な考えは人間都合待ったなしという結論に至ってしまうのです。さらにいえば、毛の中にあるメデュラという最下層に位置する細胞は空気や水が出入りする場所だと考えられており、毛があることによって外からの熱を遮断する効果があるのではないかと考えらえています。
すなわち、人間には汗による発熱作用、犬には毛による断熱作用が備わっているわけであり、犬が暑そうだからというのは人間都合の可能性が濃厚なのではないかということです。また、短いほうがカットの回数が減るため経済的ですので多くの人はサマーカットを選択するでしょうし、サマーカットはトリミングの経験が少ないスタッフでもできるカット方法なのでサロンも助かるから犬業界も否定しないわけです。
もちろん私も飼い主さんの生活が一番ですのでサマーカットに出会ったからと言って怒る由もありません。しかしそれとは別にして、いったい誰が犬のことを考えているかというと難しい世界だということを私は言いたいばかりです。(サマーカット禁止にしたらお客さん来なくなってしまいますからね)
〇飼い主が取り組めるケア
サマーカットには犬へのメリットがないんだということをしっておくだけでも犬は救われるでしょうし、短すぎないようにしようとすることも立派な愛情だと思っています。すぐにできることとしてフードの見直しが良いかと思います。皆さんのワンちゃんが食べているフードに野菜は入っていますでしょうか。入っているならいいですが、〇イヤルカナンや〇ルズなどの中ランキングなフードでは被毛がよくなることはありません。(それを食べていて毛艶がいい子はもともと生命力の強い子です)
肉コメ野菜をバランスよく食べることがよいことです。(コメはいらないとかの話は別にして下さい)また、野菜が入っていないフードを食べている子は緑野菜を食べることをお勧めします。キャベツ・ピーマン・ブロッコリー。緑野菜にはビタミンCが豊富に含まれておりますので、コラーゲンの生成の助けになります。また免疫系やホルモン系に大きな助け(補酵素)になります。コラーゲンがしっかり体に保たれることで、肌にハリが出て、その大地で育てられた毛が元気になるのです。
ブラッシングも大切ですが、干乾びた畑をいくら耕しても整えても意味がありません。まずは体内改善をしたうえでブラッシングに取り掛かるとより効率的かと思われます。また状態が悪いところにスリッカーを入れると、毛玉に引っ掛かって痛かったり、痛みに敏感でうまくできない場合がありますので注意が必要です。 当店は犬の栄養管理資格も持っておりますので、ぜひ困った際はご連絡ください。
いかがでしたでしょうか。
私はしつけを通して信頼関係や、犬との共生をサポートするためのサービスを提供しております。普通のドッグトレーニングは理想を押し付けるようなやり方ですが、当店の教えは飼い主さんの事情をくみ取り、その家にしかないしつけを提供しています。愛犬と心でつながりたい。来てもらってよかったと言ってもらえるサービスを提供できたらとおもいます。
是非ご興味のある方はご連絡いただければ幸いです。
私の主に感謝しつつ。
中島
2024/07/26
【その他】犬の精神力に関して
こんにちは。DOGLIFECorinth~13:13~のトレーナーの中島です。
当店は各ご家庭に赴いてそのご家庭に合ったしつけ方をアドバイスしています。その子の性格傾向と家の環境に合わせてかかわり方を提案するから飼い主様も納得しやすく、自分たちのペースで進んでいけるサービスを提供しています。しつけは1歳までと言われますがお客様には11歳の子もおり、犬種や場所問わず全国出張で受け付けておりますのでご興味のある方はご連絡ください。
今日のテーマは
「犬の精神力に関して」
です。
以下の方に読んでいただければと思います。
・犬ってもっと幼いと思っていたのですが
・どうしていうことを聞いてもらえないのか
・こんなに犬を飼うのが大変だとは思わなかった
〇犬の精神年齢は3歳
とよく言われていますが、果たして本当にそうなのでしょうか。私は色々な犬を見て、尊敬して考えた結果、半分正解で半分見当違いだと思っています。人間は犬を舐めすぎていないでしょうか。脳の大きさだけでみるとボーダーコリーでさえ人間の脳の10分の1の大きさしかないため、知能という点においては圧倒的に人間に軍配があるのは間違いありません。オスワリ一つとっても彼らはなかなか覚えられないし、トイレの位置も1度覚えても忘れてしまうことが多々あるでしょう。対して人間は一度言われたことは忘れないように気を付けることができますが、彼らはそれができません。そう知能は。
知能と精神力は切り離して考えなければなりません。精神力とは一言でいえば「生きる力」と言い換えることができます。なぜ人間のほうが生きる力がないかといえるかというと、犬に牙を向けられただけで怯むし、朝ごはんぬいただけでパフォーマンスは落ちるし、ずっとご飯にありつけなくても彼らは生きていくことができる力があるのです。私たちには考えられないでしょう。犬は精神力の塊なのです。それを精神年齢が3歳と言える人間の精神年齢の低さが見てうかがえます。彼らは決してバカではありません。犬を成長させたければまず人間が成長することがキーエンスではないでしょうか。
〇生きる力からくる問題行動
よく柴犬はしつけが難しいと聞きませんか?柴犬こそ精神力の塊です。柴犬だけではなく日本犬はものすごい力を持った犬種です。逆にドーベルマンはものすごく気が弱い犬なのです。柴犬は忍耐しているもののすぐキレる傾向があり、ドーベルマンは自分の身を守る意味での防衛手段として攻撃に出やすいといえます。ただ、どちらの問題も「生きる」ために行っている防衛本能からくる行動です。彼らは日常生活しているのではなく「生きて」いるのですから、その力をおやつひとつで変えようなんてお気楽に考えるのではなく、敬意をもってしっかり対応しようとする姿勢こそ犬に対して正しいコミュニケーションだと私は思います。
おやつを使って正しい行動を誘発する癖をつけられるのは成犬までです。成犬になってからおやつでトレーニングできないのはそのためです。私も30代ですが、いまさらプリンで行動をコントロールされたいとは思いません。ましてや怒ったり、興奮しているときにチョコレートを出されても相手にわかってもらえたとは思いません。どんな問題行動でも彼らにとっては大切な行動です。彼らが言いたいことをしっかりと受け止めたうえで大人としての対応をしてあげることがおやつ以上に効果が出ることだと思っております。
〇犬が思う側にいてほしい人
端的に言えば精神力のある人です。生きる力のある人です。よく男性よりも女性が噛まれる傾向があるのですが、女性のほうが力が弱く攻略しやすいことから犬はまず狙ってくるところです。しかし、私が知っている女性ドッグトレーナーたちは本当に気が強い人が多いです。一言でいえば舐められないようにということかもしれませんが、一緒にいても圧が強いと思うくらい人間味に熱があるひとばかりです。すなわち精神力のある人です。逆にちょっとしたことで心配になったり、細かいことが気になってしまう人は飼った後に後悔してしまうかもしれませんので、慎重になったほうがいいでしょう。(そういう人も見てきました)
すなわち犬は、その人の精神力(生きる力)を見ているのです。また柴犬を登場させますが、おじいさんと柴犬ってよくセットになる絵だと思います。おじいさんだから引っ張られて仕方がないか/噛まれてしょうがないかというと実はそうではなくて、うまく飼えることがあるのです。そういうおじいさんを見ると強引に引っ張っていたり、噛まれても杖で対処していたりするのです。(推奨しているわけではありません)すなわち、相手の精神力が高いから犬も安心して身をゆだねられるということです。逆に噛まれたことに対して逃げてしまい、弱った行動をしてしまうと犬はさらに図に乗るのです。
多くの人は犬を癒しとして買うかもしれませんが、それは人間都合です。犬はどの家で生きればいいのかを考えていますから、私たちも彼らと一緒に「生きる」日々を見つめていく筋合いがあるわけです。気持ちが整わないままほしいから買ってしまった結果、保健所に連れていかれる子も見てきました。彼らが家の癒し要因になってほしいのなら、まず人間が成長することが第一なのです。
〇精神力のない人はどうすればいいのか
育った環境が違うので、精神的に強い人もいれば弱い人もいるのは当然なことです。自分はもう飼ってはいけないのかといえばそうではありません。ある覚悟があればよいと思います。それは「これから成長しよう」という思いです。自信のない人は成功体験が少なく、失敗は自分のせいと考える傾向があります。そして常に平均台の上に立っているような感覚で過ごされているのではないかと思います。自分のちょっとしたことでこの平均台から落ちてしまったらどうしようと怖くなるのではないでしょうか。そういう方はしっかりとトレーナーとともに育犬をされることをお勧めします。すなわち、平均台に乗りながらもしっかりと歩めていることをサポートしてくれる人をそばに置くことです。そのなかで成功体験を積み、自分にもできることを探しながら一緒に成長すればいいのです。
私のお客様の中にも「どうしよう」が口癖になってしまっている方がいました。しかし何度か訪問した結果ほかの飼い主様から「こんな静かなんて信じられない」褒められる犬になり、お手本のような歩き方をし、ほかの犬との交流もできる子になったのです。気が弱いから買ってはいけませんとフィルタリングをしているのではなく、気が弱くたってその犬の気持ちを正しく読み取ってあげて、正しく「生きる」道を整えて上げられればいい子になるのです。逆に自分はできると思って飼う人は失敗しやすく、もっと早くから聞いておけばよかったと思う人も多々見てまいりました。気が弱いからこそ受けられる恩恵も実はあるのです。
〇犬を飼うことの覚悟
一緒に生活する相手ではなく、一緒に生きる相手であること
犬は初めから癒し相手にはなってくれないこと
自分の精神力を成長させ忍耐をもつこと
今あげられることはこれくらいかと思います。ドッグトレーナーと飼い主の違いは技術以上に犬に対する精神力の違いです。噛まれたってへこたれない家族にたまに遭遇しますが、ものすごく噛む犬が治っていく姿をみるとこの家の精神力はものすごいなと思わされました。
しかたないとはいえYouTubeで勉強される方は多いですが、本業人からすると何一つ役に立たないものばかりです。なぜならこうすれば犬はこうなるような「公式」など存在しないのに、偉そうに語っている飼い主レベルのものばかりだからです。犬を飼うなら犬をゼロから教えてもらえる人の声を聞くことが最も早く、最もコスパがいい育て方だと思っております。みなさんのお家のそばにそういう方がいらっしゃることを願うばかりです。
いかがでしたでしょうか。
私はしつけを通して信頼関係や、犬との共生をサポートするためのサービスを提供しております。普通のドッグトレーニングは理想を押し付けるようなやり方ですが、当店の教えは飼い主さんの事情をくみ取り、その家にしかないしつけを提供しています。愛犬と心でつながりたい。来てもらってよかったと言ってもらえるサービスを提供できたらとおもいます。
是非ご興味のある方はご連絡いただければ幸いです。
私の主に感謝しつつ。
中島
2024/06/17
【しつけ】なぜ犬を飼うことが難しいのか
こんにちは。DOGLIFECorinth~13:13~のトレーナーの中島です。
当店は各ご家庭に赴いてそのご家庭に合ったしつけ方をアドバイスしています。その子の性格傾向と家の環境に合わせてかかわり方を提案するから飼い主様も納得しやすく、自分たちのペースで進んでいけるサービスを提供しています。しつけは1歳までと言われますがお客様には11歳の子もおり、犬種や場所問わず全国出張で受け付けておりますのでご興味のある方はご連絡ください。
今日のテーマは
「なぜ犬を飼うことが難しいのか」
です。
以下の方に読んでいただければと思います。
・犬を飼ってみたけど意外と大変
・全然いうことを聞いてくれない
・もっと楽しい生活を期待していたんだけど…
〇室外飼いから室内飼いへ
犬は自然界の動物であり人間が飼うとしても外に出して買っていた経緯があります。家のお庭だったり、放し飼いだったりした時代があったかと思います。今でも地方に行けば室外飼育はまだまだ残っているでしょう。(室外飼育が悪いと言っているわけではなく、時代の流れを語っているだけに過ぎません)
家に庭がない家庭が増えてきたことと同時に犬の室内飼育が普通になり始めたというもの「噛んでくる」「吠えてうるさい」などの問題行動が出始めてきたのではないかと推測しています。というのも、昔は悩みがあったとしても庭から歩行者に対して吠えるとか、猫に吠えるとかだったのではないしょうか。最悪近所の人が「あそこの家の犬は吠えるから通らないでおこう」といった対処でどうにかなっていたわけです。室内で飼い始めたことで問題が身近に感じてしまうことが犬の飼育は難しいと思われる一因になっているのではないでしょうか。(お散歩が大変などの因子もあります)
犬と人間は生きる考え方が違うので、人間のやり方をそのまま適応させて通るものではありません。さらに通らなかったことに対して憤慨するのはもってのほかだと思っていただければと思います。犬ではなくアメリカ人が家にいると思ったら、日本式を取り入れても伝わるわけがないと思います。室内飼育が難しいのはすなわち異文化と異文化が同じ部屋にいるからだと思っています。
〇世界観の違いと同じこころ
異文化の相手に自分の文化を押し付けることはできないことはご理解いただけたらと思います。犬には犬の生きる考え方があるのです。それを崩されると毎日が気持ち悪いわけです。人間よりも頭脳明晰なわけではありませんので、日本式を取り入れなさいと言われても困ってしまうわけです。だったら犬の生き方を私たちの世界に取り入れて挙げられたら万事解決ではないでしょうか。
自分に置き換えてみるとこうです。
アメリカに留学した時、ホストファミリーが日本式を取り入れてくれたら信頼感がぐっと上昇するようなものです。その感覚をあなたの家に入れてあげることで犬はすこしずつ心を開くでしょう。
「犬は人間ではない。犬は犬だ。」という人もいると思いますが、半分そうであり半分違うと思います。もちろん事実は正解ですし、違う世界観を持った相手であるという尊敬をもって見ることは正しいと思います。しかし、人間と犬の共通点があると思っています。それは心です。文化は違えど、彼らにこころはあると思っています。
「行動の背景には動機がある」というのが心理学の土台です。心がすさんでいれば、問題行動を起こすわけです。先日お客様の家に行きましたが、問題行動に対応し尽くしても解決できず心から悲しんでおり、どうしていいのかわからない状態でした。その方のワンちゃんを触診し、目の状態を見させていただいたところ、目に光がない状態でした(絶望状態)。そして処置を施し飼い主さんに希望の光が入り始め、最後に目を確認したところ生き生きとした目をしていたことを覚えています。犬からすれば「これだよこれ!!!」と心待ちにして待っていたのではないでしょうか。彼らの半分は犬です。けれども半分は私たちと同じこころを持っていると私は思っています。
(バファリンも半分は優しさです)
〇不安を受ける度合い
とはいえ犬は犬という半分にも光を当てなければいけません。犬は人間よりも不安になりやすい脳構造をしていることを私たちは知っておくべきです。簡単に言えばトラウマにかかりやすいという言い方ができます。私たちは怖いことがあっても前頭前野で理性的に対処することができますが、犬は本能的に物事を捉えるため真に受けてしまいます。なので、車の音や電車、雷、ドライヤー、掃除機等音に対してびっくりすることがあります。また、杖をついてあるくご老人が異生物に見えてしまって吠えることもあるのです。
「なんでこの子は吠えるのよ」と思われるかもしれませんが、彼らには彼らの動機があるということも同時にご理解いただけたらと思います。また、本能的に生きるということは死なないようにシビアに生きることでもあるため、音に対して防御反応を取るのは当然の行動なのです。彼らを知らないで叱ったりするのはお門違いになりますので、なぜその行動をするのか知りたければ私を呼んでいただけたらと思います。
〇時間がない人間
私たちの生活には時間がありません。朝から晩まで仕事や生活に追われて自分の時間すらない状況ではないでしょうか。犬は猫と違って極度にかかわりを求める生き物です。良いコミュニケーションは余裕から生み出されるものでもありますので、現代人と犬の生活は相性が良くないように思います。
ではどうすれば彼らと過ごせるのか。
それは彼らのことを理解し、効率よく触れ合うことです。効率というのは少し冷たい感じもしますが、この例はどうでしょうか。
① 意味も分からないで15分紐遊びをした。
② しっかり効果を意識して15分紐遊びをした。
どちらのほうが効率的かというと後者ではないでしょうか。何かを省くという意味での効率ではなく、同じ時間内における効果の違いという意味での効率です。
実際に後者のほうがワンちゃんも疲れますし、しっかり相手をしてもらえている満足感につながっています。そのあとに寝てくれたらその寝顔を見て癒されますよね。(睡眠に関しては後日語ります)
時間がないからできないのではなく、唯一の時間を効果的に使って彼らと生きればさほど難しくないのです。
〇効率が悪くなると悪循環が生まれる
先ほどの①の遊び方を続けるとどうなるでしょうか。意味もなくやることに対して人間はやる気を失います。そのやる気を見た犬はつまらなくなり、次第にフラストレーションを生み出します。そのいら立ちは噛みや吠えなどの問題行動につながり、悪い習慣「噛み癖」につながっていくのです。人間はこんなはずじゃなかったと意気消沈し、人によっては手放したいと思う人もいます。
相手が求めているものや、効果をしっかりと意識して遊ぶか否かは、大きな分岐点なのです。犬が考えていることを知るためにはまず犬の世界を知っている人間に聞く必要があります。近くのしつけ教室や知り合いのトレーナーでもいいでしょう。(他の飼い主レベルからの情報はあまり期待しないほうがいいです)
私は犬の常識と行動と心理からその子が求めていることをワンちゃんから吸い出して飼い主様にお伝えしています。すべてを吸い出せるわけではないですが、飼い主様に思い当たる節があったり、実際にワンちゃんにおちついてもらっているので、きっと正答率は高いのだろうと思います。
悪い習慣になる前にお声掛けいただいてもいいですし、悪い習慣ができてしまったあとでも伺わせていただいておりますので、どうぞご興味ある方はご連絡ください。
いかがでしたでしょうか。
「なぜ犬を飼うことが難しいのか」それは相手の世界が分からないからだと思います。私はしつけを通して彼らとの信頼関係や、共生をサポートするためのサービスを提供しております。普通のドッグトレーニングは私たちの理想を押し付けるようなやり方ですが、当店の教えは彼らの世界を取り入れたその家にしかない会話に至るしつけを提供しています。愛犬と心でつながりあえたら。
来てもらってよかったと言ってもらえるサービスを提供できたらとおもいます。
是非ご興味のある方はご連絡いただければ幸いです。
私の主に感謝しつつ。
中島